テーマ: 風邪の予防
 カゼの予防で大切なことは、外から帰ったら「うがいをする」ことと、「手を洗う」ことです。

 空気中には、カゼをひいた人のくしゃみなどで飛び散った、カゼの病原ウイルスが漂っています。そのウイルスを吸い込むと、鼻やのどの粘膜にそれが付着してしまうので、うがいは、そのウイルスを洗い流す効果があります。

 ふつうのうがいでも構いませんが、それでは口とのどしか洗い流せないので、より効果的な「鼻うがい」をするとよいでしょう。鼻から水を吸い込み、その水を鼻、もしくは口から出すのです。

 方法としては、大きめのボウルに0.9%の食塩水(水1リットル当たり食塩を約9グラム混ぜる)を入れて顔をつけ、鼻から食塩水を吸います。その水を、鼻か口から出すのです(同じ容器には出さないこと)。食塩水だと、水を吸い込んでも、鼻が痛くありません。

 ただし、鼻うがいは、子どもやお年寄り、鼻や耳に慢性疾患のある人には、おすすめできません。

 もう一つは、手を洗うことです。カゼのウイルスは、せきやくしゃみで飛び散りますが、それが電車のドアやつり革、階段の手すり、机や椅子といった周囲のものに付着して残っています。食事の前や外出先から戻ってきたときは、必ず手を洗うことを実行してください。

 石けんを使わなくとも、流水で約30秒間洗えば、ほぼ無菌状態になります。

 (佐久総合病院名誉院長 松島松翠)