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 幼稚園からのお知らせに、「風邪の予防のためにも、よく手を洗うように」と書いてありました。風邪は咳からうつると聞いていましたが、手を洗うことが予防につながるのでしょうか?

 


 風邪は、たしかに風邪をひいた人の咳からうつりますが、自分の手から感染するということも、近年分かってきました。
 風邪がはやっている時期は、患者が出したウイルスがあちらこちらについています。テーブル、いす、つり革、その他身近なものは風邪ウイルスによって汚染されているのです。したがって、そこに触れた手には、当然ウイルスがつきます。実際に、風邪がはやっている時は、多くの人の手に、風邪ウイルスがついています。
 ところが、人はそのことを意識しないで、風邪ウイルスのついた手で自分の鼻や耳や口に触れてしまいます。その結果、その粘膜にウイルスが感染してしまうのです。
風邪の予防に手を洗うのはそれを防ぐためです。
 洗い方としては、水道の流れる水で手をこすって汚れを落とすという方法がよいでしょう。石けんを使えば、いくらか殺菌作用があり、泡で細かいひだの中からも汚れをとることができるので、さらに効果的です。また、ウェットティッシュで汚れをとる場合には、水で洗うときと同じように力を入れて汚れをこすり落とすようにします。
 ふだんの生活でまずは外から帰ったら、手を洗う習慣をつけさせましょう。加えて口をすすぐようにすれば、これからの夏風邪などを防ぐことができます。
(子どもの城・小児保健クリニック小児科医・巻野悟郎)